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えーっっ!? また中耳炎・・・ 監修 国立成育医療研究センター 小児内科系専門診療部 遺伝診療科 小須賀 基通先生
ママ〜 なんか プリント もらった〜 なんのお知らせかな？ 聴力低下……って難聴ってこと？ そういえばこの前も…… テレビの音 もう少し下げてね 聴力低下ってどうすれば…… なんで聴こえにくくなっちゃったのかなあ とりあえず耳鼻科でいいのかなあ 何の検査するんだろう
音が聞こえにくく、聴力が低下した状態を難聴といいます。 ムコ多糖症ではムコ多糖が鼻やのどが鼻やのど、耳の組織にたまることによって、耳の中耳に液がたまる滲出性中耳炎を起こしやすくなり、これを繰り返すことが、難聴の原因の一つとして挙げられます。その他に、耳の鼓膜の奥にある中耳という空間に、音を神経に伝えるための耳小骨という小さい骨がありますが、ムコ多糖症によりこの耳小骨が変形することも難聴の原因と考えられています。 ムコ多糖症による難聴のメカニズムは解明されていない部分もあり、これら以外の原因によって難聴が生じている可能性もあります。 聴力の検査は患者さんの年齢などによって行われる検査が異なりますが、主に次のようなものがあります。 ・純音聴力検査：ヘッドホンを両耳にあて、高さの異なる音の聞こえ方を調べる検査。 ・条件詮索反応聴力検査：スピーカーから音を出してその音を探したり音のする方を見たりするなどの反応を、おもちゃが動いたり光ったりするなどの条件をつけて行う検査。乳幼児の検査として実施します。 ・聴性脳幹反応検査：脳波で聴力を測定する検査で、ある一定の音を聞かせ、耳へ信号が伝わる過程を脳幹から出てくる脳波を測定して聞こえているかどうかを調べる検査。 聴力の検査は詳しい検査を行うことができる総合病院や大学病院などで行います。健診などで聴力の低下や異常を指摘された場合は、まずはかかりつけの耳鼻科やムコ多糖症の主治医に相談しましょう。
ポイント ポイント1　 中耳炎、風邪やアレルギー性鼻炎などの治療は積極的に行いましょう 風邪やアレルギーなどで鼻水が出ている状態をほうっておくと中耳炎にかかりやすい状態になります。中耳炎は難聴の原因となるので風邪やアレルギー性鼻炎の症状が現れた場合は早めに小児科や耳鼻科を受診しましょう。 また、鼻水などの症状が治まっても、耳の中耳に液がたまっている滲出性中耳炎の状態が改善していないことがあります。中耳炎の治療は医師とよく相談して、症状が改善するまで通院やお薬の服用を継続しましょう。 ポイント2　 もしかして聞こえにくいのかな？　と思ったら早めに受診、相談をしましょう 乳幼児や小学校低学年の時期の難聴は、聞こえの問題だけでなく言葉の発達などにも影響を与えます。また、難聴を見過ごしたままでいると、言葉の発達の遅れのために学校教育についていけないといった問題なども現れることがあります。 ムコ多糖症の患者さんでは難聴が起こる可能性があることを念頭において、「あれ？　聞こえにくいのかな？」と感じたら早めに医師に相談しましょう。
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