ムコ多糖症の治療

ムコ多糖症の治療

ムコ多糖症の治療には、たまっているムコ多糖を分解して症状の改善を図る酵素補充療法、造血幹細胞移植と、さまざまな症状に対する対症療法があります。

造血幹細胞移植

造血幹細胞をドナー(提供者)から患者さんに移植する治療法です。患者さんの体に定着した造血幹細胞は、正常に働くライソゾームの酵素をもつ血球細胞をつくることができます。この酵素がたまっているムコ多糖を分解し、症状を改善します。

ムコ多糖症に対して行われる造血幹細胞移植には、骨髄移植と、さい帯血移植の2種類があります。

造血幹細胞移植の適応は、ムコ多糖症のタイプや重症度によって慎重に判断されます。

用語解説

造血幹細胞

血液の中にある血球には赤血球、白血球、血小板という3種類の細胞があります。血球の3種類の細胞は、造血幹細胞からつくられています。造血幹細胞は骨髄とさい帯血に存在します。

さい帯血
赤ちゃんとお母さんをつなぐさい帯(へその緒)と胎盤の中に含まれる血液を、さい帯血といいます。