ムコ多糖症の治療

ムコ多糖症の治療

ムコ多糖症の治療には、たまっているムコ多糖を分解して症状の改善を図る酵素補充療法、造血幹細胞移植と、さまざまな症状に対する対症療法があります。

ムコ多糖症Ⅱ型の治療

酵素補充療法

ムコ多糖症Ⅱ型では、ライソゾームで働く酵素イズロン酸-2-スルファターゼの欠損、またはその働きが弱いことにより、酵素が分解するはずのムコ多糖(デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸)が細胞の中にたまってしまい、さまざまな症状が生じます。

酵素補充療法は、欠損している酵素を体外から点滴などで補う治療法です。体外から投与された酵素が細胞の中に運ばれて、たまっているムコ多糖を分解することによって症状を改善します。

ムコ多糖症Ⅱ型に対する酵素補充療法に用いられる薬剤として、日本国内では3種類の薬剤が承認されています(2021年5月現在)。

造血幹細胞移植

ムコ多糖症Ⅱ型に対して造血幹細胞移植が行われる場合がありますが、適応はそれぞれの患者さんの症状や状態に応じて慎重に判断されます。

対症療法

ムコ多糖症Ⅱ型では全身にさまざまな症状があらわれるため、それぞれの症状に応じた治療が行われます。