ライソゾーム病とムコ多糖症について
ライソゾーム病とは?
細胞の中にあるライソゾームは、体の中でいらなくなった物を取り込んで分解する役割をもっています。
ライソゾームの中には酵素というタンパク質が多く含まれていて、この酵素がいらなくなった物、例えばタンパク質や脂肪、糖などを分解します。ライソゾームで働く酵素にはたくさんの種類があり、それぞれの酵素が、それぞれ異なる物質を分解します。
ライソゾームで働く酵素が欠損している、または酵素の働きが弱いことによって引き起こされる病気を、ライソゾーム病といいます。
ムコ多糖症とは?
ムコ多糖(グリコサミノグリカン)はもともと体の中の皮膚や骨、軟骨、靭帯などの組織に多く存在しています。
ムコ多糖は、ライソゾームの中で10種類以上の酵素によって分解されていきます。酵素が欠損している、または酵素の働きが弱いことによって、ムコ多糖が分解されずに全身の細胞のライソゾームの中にたまってしまい、さまざまな臓器に障害が引き起こされる病気を、ムコ多糖症といいます。
ムコ多糖症の原因となる、たまってしまうムコ多糖にはデルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸などがあります。
- 細胞の中で物質をつくったり、分解したりすることを代謝と呼び、生まれつき代謝に問題がある病気全体を、先天代謝異常症といいます。
- ライソゾームで働く酵素が欠損している、または酵素の働きが弱いことによって引き起こされる病気を、ライソゾーム病といいます。
- ライソゾームの中でムコ多糖を分解する酵素が欠損している、または酵素の働きが弱いことによって引き起こされる病気を、ムコ多糖症といいます。