ムコ多糖症Ⅲ型
(サンフィリッポ症候群)1-4)
原因
サンフィリッポ症候群とも呼ばれるムコ多糖症Ⅲ型は、ライソゾームで働く酵素の欠損、またはその働きが弱いことにより、酵素が分解するはずのムコ多糖(ヘパラン硫酸)が細胞の中にたまってしまい、さまざまな症状を生じる病気です。
欠損している酵素の種類により、A~D型に分類されます。
A型:ヘパランN-スルファターゼが欠損
B型:α-N-アセチルグルコサミニダーゼが欠損
C型:アセチル-CoA:α-グルコサミニドN-アセチルトランスフェラーゼが欠損
D型:N-アセチルグルコサミン-6-スルファターゼが欠損
主な症状
多動、がまんできずイライラする、睡眠障害、重度の知的な発達の遅れなど
ムコ多糖症Ⅲ型では、知的な発達の遅れがみられます。ほかのタイプのムコ多糖症に比べて、骨や関節の症状は軽度です。
※あらわれる症状や、その程度は、患者さんごとに異なります。
文献
- 折居忠夫ほか編. ムコ多糖症UPDATE. イーエヌメディックス; 2011. p.xv.
- 田中あけみ. ムコ多糖症Ⅲ型. 折居忠夫ほか編. ムコ多糖症UPDATE. イーエヌメディックス; 2011. p.111-114.
- 折居建治ほか. ムコ多糖症ⅢC型. 折居忠夫ほか編. ムコ多糖症UPDATE. イーエヌメディックス; 2011. p.115-118.
- 厚生労働省難治性疾患等政策研究事業 ライソゾーム病(ファブリー病を含む)に関する調査研究班(研究代表者 衞藤義勝)編. 診断の手引きに準拠したムコ多糖症診療マニュアル. 診断と治療社; 2016. p.22-24.