ムコ多糖症の治療
ムコ多糖症の治療には、たまっているムコ多糖を分解して症状の改善を図る酵素補充療法、造血幹細胞移植と、さまざまな症状に対する対症療法があります。
対症療法
ムコ多糖症では全身にさまざまな症状があらわれるため、それぞれの症状に応じた治療が行われます。
あらわれる症状は、ムコ多糖症のタイプや病気の重症度などによって異なります。
耳・鼻・のどの症状
中耳炎
鼓膜に換気のためのチューブを挿入して、中耳に滲出物がたまらないようにします。
難聴
補聴器を装用します。
扁桃・アデノイド肥大
手術療法で肥大している扁桃・アデノイドを取り除きます。
関節の症状
関節障害
関節の機能や運動能力を維持するため、運動訓練などの理学療法を行います。
関節の痛み
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などを服用します。
心臓の症状
心臓弁膜の異常
心エコー図検査による定期的な心臓の評価を行います。重症の場合は、手術療法として動きの悪くなった弁を取り換える弁置換術などを行います。
眼の症状
角膜混濁
角膜混濁が進行して視力が低下した場合は、角膜移植を行うことがあります。
呼吸器の症状
気道狭窄
気道が狭くなり呼吸困難がみられる場合は、マスク型の持続陽圧呼吸(CPAP)装置の使用や、手術療法として気管切開術などを行うことがあります。